ebunzip
(ebzip --uncompress
、
ebzipinfo --uncompress
と同じ) は、ebzip
で
圧縮した CD-ROM 書籍を伸長します。
伸長の処理手順は、圧縮とかなり似ています。
/dict
の下に圧縮された書籍が置かれているものと仮定します。
この書籍には、/dict
の下に次のようなファイルを持っています。
/dict/catalog /dict/language.ebz /dict/kanji/start.ebz /dict/english/start.ebz
この書籍を伸長するには、次のコマンドを実行します。
% cd /dict % ebunzip
これは次のようにしても同じです。
% ebunzip --output-directory /dict /dict
伸長には、しばらくかかることがあります。
伸長の間、ebunzip
は、次のように状況を知らせるメッセージを出力
します。
==> /dict/kanji/start.ebz を伸長 <== ./kanji/start.ebz に出力 5.1% 処理済み (4194304 / 82460672 バイト) 10.2% 処理済み (8388608 / 82460672 バイト) 15.3% 処理済み (12582912 / 82460672 バイト) : (略) 完了 (82460672 / 82460672 バイト) 25681439 -> 82460672 バイト
伸長の間、ebunzip
は、すでに存在するファイルを上書きしても良いか
どうか確認を求めてきます。
==> /dict/kanji/start.ebz を伸長 <== /dict/kanji/start に出力 ファイルがすでに存在します: /dict/kanji/start 上書きしますか (はい:y, いいえ:n)?
伸長が完了すると、/dict
の下のディレクトリ構成は少し変化して
います。
/dict/catalog /dict/language /dict/kanji/start /dict/english/start
伸長されたファイルはファイル名が変化し、 拡張子 .ebz が取り除かれています。
多くのオプションは、圧縮時と伸長時とで同じ意味を持っています。
--keep オプションを指定すると、ebunzip
は、
伸長した後に圧縮ファイルを削除しなくなります。
--test オプションを指定すると、ebunzip
は伸長
したデータを実際のファイルには書き込みません。
このオプションは、ファイルが正しく圧縮されているのかを確認するときに便利
です
(--test オプションについての詳細は、
「テスト」を参照のこと)。
--subbook や --skip-content オプションを指定 すると、条件に合致したファイルだけしか伸長しません (これらのオプションについての詳細は、 「一部だけの圧縮」 を参照のこと)。
--force-overwrite や --no-overwrite オプション
を指定すると、ebunzip
は上書きしても良いかどうかの確認なしに、
ファイルを上書きしたり飛ばして次に進んだりします
(--force-overwrite と --no-overwrite オプション
についての詳細は、
「古いファイルの上書き」 を参照のこと)。
ebunzip
は、--level オプションを無視します。
伸長時に --level オプションを指定する必要はありません。
S-EBXA および EPWING 規格でも圧縮形式を定義しており、CD-ROM 書籍には これらの圧縮形式を実際に採用しているものがあります。 しかし、S-EBXA や EPWINGの圧縮形式は、ebzip の圧縮形式とは異なります。
ebzip
は S-EBXA や EPWING 圧縮形式で圧縮された CD-ROM 書籍も
伸長することができますが、圧縮することはできません。
S-EBXA 形式で圧縮された START
ファイルや、EPWING 形式で圧縮
された HONMON2
, HONMONS
ファイルを伸長すると、
伸長後のファイルには拡張子 .org が付加されます
(例: honmon2
→ honmon2.org
)。